
130年以上受け継がれる「高剛性」の系譜
ニイガタマシンテクノは、国内外で高いブランド力を誇った新潟鐵工所の工作機部門の技術を継承し、2003年に設立されました。
その源流は、1895年に日本石油が石油掘削機器・精製機器の修理・製造を目的に設立した鉄工所にさかのぼります。
石油掘削機器に求められる大きな荷重への耐性や長時間運転に耐える構造を実現するための設計・製造を通じて培われた大型機械製造と高剛性の技術力は、130年以上にわたり継承され、「ニイガタ」ブランドを支える確かな基盤となっています。
創業――石油産業の近代化とともに
- 創業当時の新潟工場
- 創業当時の新潟工場
1895年、日本石油は急速に拡大する国内石油産業を支えるため、掘削機器や精製設備の修理・製造を担う鉄工所を新潟に設立しました。
当時、油田開発の進展により機械化が不可欠となり、設備保全や機器供給を自社で行う体制の構築が求められていました。鉄工所はその要として位置づけられ、技術者の育成や設備の整備が進められました。
主な出来事
- 1895年(明治28年)
- 日本石油が掘削・精製機器の修理製造を目的に鉄工所を設立
- 1899年(明治32年)
- ポンプ・ボイラーなど油田関連設備の製造を拡大
- 1907年(明治40年)
- 工作機械の製作を開始し、機械加工技術を強化
会社設立――機械産業のパイオニアとして
- S・M型(スタンダード・マシンツール)の一例
1910年、日本石油の機械部門は「株式会社新潟鐵工所」として独立し、総合機械メーカーへの歩みを本格的に進めました。
石油採掘機械の設計・製造で培った技術を基盤に、舶用機関、産業機械、インフラ関連機器などへ事業領域を拡大。大型設備に対応できる設計力と生産体制を整えることで、国内の近代化を支える機械産業の先駆企業としての地位を確立しました。
当初は自社設備の製作が中心でしたが、日本政府からの要請を受け、本格的な機械製造へと踏み出します。1911年(大正元年)には工作機械を営業品目の一つとして開発・製造を開始。これが後の工作機械事業へとつながる礎となりました。
主な出来事
- 1910年(明治43年)
- 株式会社新潟鐵工所として本格的な企業経営へ移行
- 1911年(大正元年)
- 工作機械を営業品目として製作を開始
- 1917年(大正6年)
- 万能フライス盤製作開始
- 1929年(昭和4年)
- 工作機械生産を新潟に移転
総合機械メーカーとしての経営体制の確立を目指して
- 22SMEVN形
第二次世界大戦後、当社は工場の再建と生産体制の立て直しを進め、新たな事業領域の拡大に取り組みました。
復興需要の高まりに応えるべく設備を整備し、船舶、プラント、産業機械など多様な製品を供給できる体制を構築。日本の復興と産業発展を支える機械メーカーとして歩みを進めていきます。
工作機械においては米国サンドストランド社との業務提携により、フライス盤や自動旋盤などの生産技術の高度化を図るとともに、自社技術によるNC工作機の開発にも着手しました。
そして1961年(昭和36年)、当社初のNC工作機となるNCフライス盤「22SMEVN」を開発。これを契機に、NC技術を軸とした工作機械開発が本格的に進められていきます。
主な出来事
- 1945年(昭和20年)
- 終戦。工場復旧と生産再開に着手
- 1954年(昭和29年)
- 米国サンドストランド社と技術提携
- 1961年(昭和36年)
- 当社初の数値制御(NC)工作機械としてNCフライス盤22SMEVN完成
新潟地震を糧に
- 大潟地区に移転した当時の新潟工場
- マシニングセンタ「50DIU」
新潟地震をきっかけに、さらに経営基盤を強化すべく山ノ下地区から大潟地区へ移転を決断。造船部門を除く内燃機・工作機・鋳造部門の工場を移転し、当時としては最新鋭の設備の工場が完成しました。
一方日本国内では高度成長期を迎え、機械工業は能率化、省力化に向かって急テンポで歩み始めます。当社でも時代のニーズに合った機械として、マシニングセンタの開発を進めました。当時の開発方針は「一度の段取りで可能な限り多面加工が行える機械」であり、初の本格的マシニングセンタである「50DIU」を第4回東京国際見本市(現在のJIMTOF)に出展し、日本のマシニングセンタの幕開けとなりました。
主な出来事
- 1964年(昭和39年)
- 新潟地震発生。約1ヶ月で生産再開を達成
- 1965年(昭和40年)
- 国内初のマシニングセンター(ATC搭載)を開発
- 1968年(昭和43年)
- 本格的マシニングセンタ「50DIU」完成
- 1969年(昭和44年)
- 新潟工場を現在の場所へ完全移転
石油危機と長期不況に対応して
- オムニミル「OM-1」
- 横形マシニングセンタ「HN50」
オイルショックによる厳しい経済環境の中、省エネルギー化や高効率化が強く求められるようになりました。こうした時代背景を受け、工作機械分野ではマシニングセンタのシステム化と高精度・高剛性を追求した新シリーズ、さらには世界初の夜間無人運転も開発し、長期不況下においても競争力を維持できる体制を整えました。
さらに技術力強化のため、米国サンドストランド社と技術提携を行い、同時5軸制御の世界最高級オムニミル「OM-3」をリリース。その後、より広い普及を目指して「OM-1」の技術を導入し、第6回東京国際見本市(現在のJIMTOF)へ出展しました。会場では大きな反響を呼び、日本におけるDCサーボ高速マシニングセンタの草分けとなりました。
その後、マシニングセンタが中小企業へ急速に普及する中で、低価格でありながら高速・高性能を実現した横形マシニングセンタ「HN50」を販売開始。このシリーズは現在に至るまで受け継がれ、多くのお客様にご愛用いただいています。
主な出来事
- 1972年(昭和47年)
- OM-3形オムニミル販売開始
OM-1形オムニミルを東京国際見本市(現JIMTOF)へ出展 - 1973年(昭和48年)
- 第一次オイルショック発生
- 1975年(昭和50年)
- 横形マシニングセンタ「HN50」販売開始(日本初のコラム移動型横形マシニングセンタ)
- 1976年(昭和51年)
- マシニングセンタ夜間無人運転システムを開発(世界初)
- 1988年(昭和63年)
- 世界初10万回転主軸「UHS-10」開発
高速加工技術の確立
- SPN50
平成期に入り、設備投資の停滞など厳しい経営環境が続く中、製造業では国際競争力の強化が求められるようになり、工作機械にもさらなる生産性向上が期待されるようになります。
当社はこうしたニーズに応えるため、マシニングセンタの高速化・高能率化を推進。主軸性能や送り速度の向上などの技術開発を進め、高速加工時代への対応を進めていきました。
1994年(平成6年)には横形マシニングセンタ「SPN50」を開発。非切削時間を大幅に短縮するとともに、国内初の Box in Box®構造 を採用し、高剛性と高生産性を両立しました。本機は当社高速加工機の原型となっています。
主な出来事
- 1994年(平成6年)
- 高速横形マシニングセンタ「SPNシリーズ」開発
- 2000年(平成12年)
- 上下面加工 強力NCフライス盤「JKシリーズ」開発
ニイガタマシンテクノとして再出発
- ULTY501
2003年、国内外で高い評価を得ていた新潟鐵工所の工作機部門を継承し、株式会社ニイガタマシンテクノが設立されました。
これまでに培われた大型機械製造と高剛性技術を基盤に、新たな製品開発を加速。「ULTY」「JK」シリーズなど主要ラインを再編し、開発力の強化と市場基盤の再構築を進めました。
2000年代半ばにはNCフライス盤や横形マシニングセンタの新シリーズを連続投入し、工作機械メーカーとしての存在感を再び確立しました。
主な出来事
- 2003年(平成15年)
- 株式会社ニイガタマシンテクノ設立
- 2005年(平成17年)
- 「JK1500 高送り仕様」「ULTY01シリーズ」開発
- 2006年(平成18年)
- 高剛性横形マシニングセンタ「HN-Dシリーズ」開発
- 2008年(平成20年)
- ㈱ニイガタマシナリーサービスと合併
高精度化・高速化――技術領域の拡張と製品ライン強化
- 高生産性横形マシニングセンタ「HN-Sシリーズ」
2009年以降、環境対応と生産性向上の両立が求められる中、高精度化・高速化に向けた技術投資を強化。大型機の高速化を進めるとともに、横形マシニングセンタや高出力フライス盤のラインアップを拡充しました。グリーンパッケージを開発し、環境負荷の低減に取り組むお客様のサポートを開始。
環境と生産性の両立を実現し、次世代のものづくりを支える基盤を築きました。
主な出来事
- 2010年(平成22年)
- 「HN-S」「HN-E」シリーズ開発 / 上海に現地法人
- 2014年(平成26年)
- 「HN-V」「HN-5X」開発
グローバル展開――海外拠点の拡大と国際市場への進出
- 高生産性横形マシニングセンタ「 N7」
2015年以降、市場のグローバル化が加速し、海外需要の拡大や現地生産・現地供給への対応が求められるようになりました。
これを受け、中国(寧波)に生産拠点を設立し、中国市場への対応を強化しました。
さらに、海外市場の開拓を目的とした「N7」シリーズを開発し、グローバル展開を本格化しました。
加えて、人手不足や生産性向上への対応から自動化ニーズが高まり、ロボットによる自動化を推進し、省人化と効率化を実現しました。
主な出来事
- 2015年(平成27年)
- 「PNシリーズ」開発
- 2017年(平成29年)
- 「N7」開発
- 2017年(平成29年)
- 中国寧波に現地法人を設立
製造現場の高度化――IoTへの取り組みと事業再編
- 高剛性5軸横形マシニングセンタ「HN80E-5X」
2018年以降、企業におけるIoT活用の加速を背景に、その流れに呼応する形でIoTソフトウェアを開発。
機械を“つなぐ”技術を確立し、スマートファクトリー化を実現するための基盤づくりを支援してきました。
そして2023年には射出成形機事業を分割し、工作機械専業メーカーへと体制を再編。
より専門性を高め、工作機械分野における技術力の深化と付加価値の創出に一層注力しています。
主な出来事
- 2020年(令和2年)
- 門型NCフライス盤「JK700」開発
- 2021年(令和3年)
- 5軸横形MC「HN80E-5X」開発
次世代のものづくりを支える技術革新へ
ニイガタマシンテクノは、高速・高精度加工を実現する横形マシニングセンタや5軸機の開発を進めるとともに、スマートメンテナンスや自動化技術を拡充し、生産性向上を支えています。
創業以来130年にわたり、ニイガタマシンテクノは時代とともに変化するお客様のニーズに応え、技術を磨き続けてきました。この長い歩みの中で築いてきた実績は、世界に誇れる財産です。
これからも高剛性・高精度を軸に技術革新を続け、次世代の製造業を支える「ニイガタ」ブランドのさらなる発展を目指しています。