高せん断

高せん断加工機について

1.高せん断加工装置とは

高せん断加工装置とは混ぜる機械です。樹脂と樹脂、樹脂とフィラー(充填材)など。
それを1mmの1000分の1(ミクロン)の、更にそれ以下、ナノ(ミクロンの1000分の1)スケールで
混ぜる為の機械です。
 

2.混ぜる

常温で液体同士なら、容器に入れて振る事で混ざる事は理解できます。
では、樹脂と樹脂を混ぜるには?
例えば、ペットボトルのペット樹脂と、ポリ袋のポリエチレンを混ぜるにはどうすれば良いのか?
両方共常温では固体同士です。でも熱をかければ溶融する(熱可塑性樹脂)。
その溶かした状態で混ぜる。
高せん断加工機は400℃程度まで、任意の温度に加温する事が出来る。
溶かして良ーく混ぜる。そういうマシンです。
 

3.混ぜる仕組み

内部帰還式スクリューという方式で混錬しています。
スクリューの溝に封入されている溶融している樹脂が、加熱筒に挿入されているスクリューの回転と共に、前部に送られ、スクリュー先端部から後部に向かって開けられた穴を通って後部に戻り、
又、スクリューの回転で前に送られるを繰り返す。
通常のスクリュー方式の混錬機の場合は、前部に送られた樹脂は先端部から排出されてしまいますが、この方式は樹脂が戻り繰り返す事から、任意の時間混錬する事ができるという特色があります。
スクリュー内部の穴を通って樹脂が帰還する(戻る)事から、内部帰還スクリュと呼ばれています
スクリュー先端に穴が開いています。
 

4.何故内部帰還式スクリュー?

一般的に溶融状態の樹脂を良く混ぜるには、高いせん断応力を長時間付与する事だと分かっています。簡単に言うと強く長く混ぜる。
①せん断応力は、樹脂の粘度と、せん断速度に関係しています。
樹脂の粘度は種類・温度によって変わりますし、非ニュートン流体である樹脂はせん断をかけると粘度が低下します。
せん断速度はスクリューの回転速度に関係します。せん断をかけても粘度が変わらないと仮に仮定すると、スクリューの回転数が高い程、せん断応力が高いという事になります。(樹脂はせん断を与えると粘度が低下しますので、考慮する必要があります。
②長時間混ぜるには、装置の中に長時間滞留する事が必要です。スクリューを長くする事が長時間混ぜる事につながりなす。しかし、長いスクリューを作るという事は、技術的に困難を要します。
内部帰還式スクリューの回転数は最高3000rpm (オプション5000rpm)まで上げられます。その回転数で回転しながら、樹脂を帰還させる事により、短いスクリューであっても、混錬時間を任意に設定できます。
 

5.混練部と予備可塑化部

一般的な混錬機の代表の2軸押し出し機を例にすると、材料供給・可塑化・混錬部分の全てが同じ回転となる為、混錬部分をもっと高速に回転させようとしてもできません。
高せん断加工機は、内部帰還式スクリューを採用した高せん断混錬部とは別に、予備可塑化部を採用しています。 射出成型機メーカーとして長年培った、樹脂を可塑化し注入する技術を使い、高せん断混錬部に樹脂を注入します。 つまり、可塑化部の回転数と、高せん断部の回転数を別に設定できるということになります。
 
予備可塑化部の樹脂温度は、高せん断部で混錬を始める時の粘度に関係します。粘度を加味して予備可塑化部の温度を変える事が出来ますので、予備可塑化部の温度と高せん断混錬部温度を変える事もできます。
 
 

6.赤外線式樹脂温度計測装置について

高せん断(混錬)加工中の樹脂温度を計測したい。これは高せん断加工機に限らず、2軸押し出し機においいても同じ思いがあります。
熱電対が溶融している樹脂に直接触れている状態だとしても、容易に正しい樹脂温度を計測する事ができません。樹脂に直接触れているのだから、計測値は樹脂の温度であると思われるかもしれませんが、圧力が掛り、動いている状態であれば計測する事ができません。
射出成形機でも2軸押し出し機でも、シリンダー温度イコール樹脂温度ではありません。
以前、高せん断加工機に、熱電対を金属製のホルダーに固定しシリンダーに挿入固定することにより、樹脂温度を計測していましたが、その熱電対で計測される温度と、排出される樹脂の粘度から想定できる樹脂温度との相違を感じていました。
 
それに対して、何か良い方法はないか?
 
直ぐに壊れてしまうかもしれないが、ダメもとでやってみよう!の精神で、赤外線式の温度センサーに手を加えて樹脂温度を計測しみました。
 
温度は観察できるか?
今まで見た事が無い様な樹脂温度の挙動の計測に成功!
 
壊れるか?
予想に反して壊れない!
 
対応温度は100℃~400℃越えまで。
耐圧力は150Mpa以下まで。
取り付け方法は市販圧力センサーと同じを基本として、様々な方式に対応いたします。
高せん断加工機に限らず、様々な混錬機で、圧力が掛り、動いている樹脂温度を高応答で計測する事ができます。
 
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7.赤外線式温度センサーが何処を計測しているか分からない

弊社が販売している赤外線式温度センサーに限らず、同じ方式の温度センサーは、何処を見ているのか分からないと昔から言われている。だから信用出来ないと思われているところがある。
事実、何処の温度を観察しているか検証をしたという記録は見た事がない。そして、本当に正しい温度を表示しているのかどうか。
 
弊社の高せん断加工機は、内部帰還式スクリューで混錬を行っていますが、その内部帰還穴に正対して赤外線式温度センサーを設置しています。
ある時、高せん断スクリューの帰還穴の径を小さくしていくテストをしていた際に、帰還穴径φ0.5mmとした時に、イメージしていた温度とは違う温度が表示されました。
温度が上がり切らない。
故障を考えて、予備のセンサーと交換しても同じ結果となった。つまり故障しているのではないと判断できる。では何故?
試しに帰還穴をΦ1.0mmに変更すると測定できる。
帰還穴がΦ0.5mmでは測定できない。
 
赤外線センサーの樹脂に触れている光ファイバーの径がΦ0.8mmだから、帰還穴がそれより細い場合はスクリューの金属部の温度を測定しているになるのではないか。
 
つまり、光ファイバーの太さの範囲の真正面を測定している事が判明した瞬間でした。新発見はミス?故障?から、なんていう話をつぶさに感じた瞬間でした。
 
もう一つは測定温度が正しいのかどうか?
 
バンドヒーターと熱電対で加熱されたシリンダーに樹脂を封入し、赤外線式温度センサーで温度測定を行った。
シリンダーの温度が設定温度になってから30分経てば、熱伝導性の悪い樹脂でもシリンダーの温度になるという想定にて、30分毎に温度を20℃昇温した。
 
赤外線式温度センサーで計測した樹脂温度の検証結果は。
シリンダーはバンドヒーターで加熱しているので直ぐに昇温する。
それから5分以上遅れて赤外線樹脂温度が上昇する事が確認できる。
シリンダーから熱を貰って樹脂温度が上昇するのだから、想定通りに樹脂温度を計測している。
そして測定誤差は±1℃以内。
 
素晴らしい。
 
 
 

8.ナノ分散事例

高せん断加工機を開発するにあたり、何をナノ分散の指標にすれば良いのか?
 
機械メーカーですので樹脂の評価をする術を持たない弊社は、当時共同研究を行っていた産業技術総合研究所の清水氏に、ポリカーボネイトとアクリルが透明に分散すればナノ分散ですと助言をいただいた。
それを目標に機械の開発を行い、その後、透明分散を実現した。
と、簡単に書きましたが、それがかなり困難な道のりでして、苦節4年といったところでしたでしょうか。
ポリカーボネイトとアクリルの(屈折率の違うそれぞれ透明な樹脂の組み合わせからの)透明分散は歴史上初であり、光の波長より更に小さく分散したら光を通し透明になるのではないか?と昔から伝説の様に言われていた事が実証された瞬間でした。
後に樹脂メーカーさんに言われました、ポリカとアクリルは混ぜるとパール状に白濁すると、教科書に書いてあると。
素人の怖いもの知らずだったのかも知れません。
 
この材料の特徴は。
・ 30nmレベルで分散している
・ 透明
・ 屈折率がポリカとアクリルの中間
・ ガラス転移点が中間に一つ(本来は2つ)
・ 再溶融しても相分離しない(透明を維持)
 など。
 
全てのお客様と秘密保持契約を結びテストトライ(約100社、延べ300日)を行っていますので詳細は記す事が出来ませんが、それぞれ透明同士のポリマーアロイにおいて、この事例以外にもう5つの組み合わせを透明分散させる事に成功しています。
その全ての透明アロイにおいて上記の特徴が実証されています。
相溶化剤等の添加剤を加える事無く、機械的混錬のみで透明に分散させる。
案外凄いと思うのですが。
 

9.高せん断シリンダーの冷却方法について

高せん断加工は、高せん断部に予備溶融した樹脂を注入し、内部帰還式スクリューを回転させる事により混錬を行っている。
内部帰還式スクリューの採用により、混錬時間は画面より3,200秒まで設定できる。しかし実際においては長くても60秒が上限かもしれない。生産性の問題もあるが、長時間混錬する事により樹脂の劣化がおきてしまうからだ。
特に高せん断加工による樹脂の自己発熱対策が重要となる。
 
樹脂の自己発熱がシリンダーに伝わり、シリンダーに設けている冷却回路に水を流す。
これは他の混錬機でも同じ事だが、高せん断加工機は、注入・混錬・排出を自動で繰り返すバッチ連続式となっている為、発熱は混錬時に多く発生し、それ以外の注入排出時間は発熱が少ない。それゆえ高せん断加工中のみ冷却を行っている。
しかしながら、いくら樹脂がせん断により自己発熱したとしても加工時間が5秒・10秒であった場合には高せん断シリンダーの温度上昇は少ない。つまりシリンダーの昇温を確認してから、冷却水の流量をコントロールする事は難しい事になる。一定量を流す事も考えられるが、制御が難しい。
 
そこで考えた事は、せん断発熱量は高せん断モーターの仕事量と相関しているのではないか?。
モーターの仕事量が大きい時はせん断発熱量が大きく、モーターの仕事量が小さい時はせん断発熱量が少ないのではないか。
それではモーターの仕事量とは?。
モーターの仕事量=モーターの回転数 ☓ モータートルク ☓ 指数 
 
モーターの仕事量を1秒毎にサンプリングし、1秒に1回、電磁弁の開度計算を行い冷却水の流量を決る。
これによりシリンダーの温度コントロールが可能となりました。
 
シリンダーの温度を見ずに、シリンダー温度をコントロールする。
逆転の発想でしょうか。
 

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